• メールで相談
  • お見積もり

卓上フード - Crystalline

「ないこと」を当たり前に

これまであるのが当たり前だった、重く大きな柱やサッシウエイト機構。
ヒュームフードの安全性を保つ上で、大切な機構です。

でもこの機構がなければもっとストレスなく自由な使い方をしてもらえるのではないか。
そんな想いで、「ヒュームフードの当たり前を崩す」挑戦が始まりました。

ファンズワース邸Farnsworth House

ル・コルビュジエやフランク・ロイド・ライトと並んで近代建築の巨匠と称されるミース・ファン・デル・ローエ。この偉大な建築家の最後の住宅作品にして傑作と言われる住宅建築「ファンズワース邸」がアメリカ シカゴ郊外にある。鉄とガラスでできた浮遊感、抜け感のある内部からの眺望、水平方向のラインによる横への広がり、周辺環境との調和。こんな感覚を与える研究設備を創ることで、研究者たちが活躍する現場である実験室をもっと素敵な環境にしたいと思いました。

ファンズワース邸

ユニバーサル・スペース"Universal Space" by Mies

ミースが提唱した「ユニバーサル・スペース」は、柱と梁によるラーメン構造による均質な空間で、空間を自由にコントロールできるという考え方であり、高層建築のようなオフィス空間に多く用いられる。この考えを住宅に適応したのがファンズワース邸であるとされており、住まい方を自由にするとともに緑豊かな周辺環境に溶け込んでいる。

ユニバーサル・スペース

シンプルさの追求"Simple" Concept

ファンズワース邸との出会いにより、実現したいカタチのイメージが固まってきました。「抜け感と高い視認性」、「自由度の高い広々とした作業空間」、「機能美とシンプルさ」。イメージコンセプトを元に、製品化に向けた開発が始まりました。いくつもスケッチやディスカッションを重ねる中で、私たちは気づきました。「サッシ機構をなくせば...」。

ワイヤーでサッシと繋がり機体の側後面を通過する重いサッシウエイトは、ヒュームフードの安全性のために、これまであるのが当たり前のものでした。でもこれらがある限り、私たちの掲げたコンセプトは実現できない。

こうして私たちの「ヒュームフードの当たり前を崩す」挑戦が始まりました。問題はサッシ落下防止のための安全機構。何かサッシ自体を保持をするものがなければ、大きな衝撃があった際にサッシが落下する可能性があり、重大な事故につながる可能性があります。ただし長大な落下防止機構を用いれば、そもそものコンセプトから離れてしまう。暗中模索の中、私たちは「Withコロナ」の時代に差し掛かりました。

タッチレスの電動昇降式サッシ

電動昇降の採用で
省スペース化・非接触を両立Automatic Sash & Touchless

Withコロナの中で注目を浴びたのは「非接触」。共用で使用するヒュームフードに対して、研究者が少しでも安心できるように、感染リスク低減機能を盛り込めないかと考えていました。その答えは電動昇降サッシ。左右のポスト自体に電動昇降機能を組み込み、フットスイッチでサッシを昇降させることで、非接触でのサッシ操作が可能となりました。さらに、この機構を用いることで大きなウエイトやワイヤーが必要なくなり、機体の側面と背面を自由に使うことができるようになりました。

卓上フード"Crystalline"の誕生Birth of New Benchtop Fume Hood

機体の側面と背面が自由になったことで、デザイン上の制約が外れました。本来ヒュームフードは、薬品を取り扱う危険な場所なので、中で何をしているのか、何の薬品を使っているのか、作業者がいるのかがどこからでも一目でわかるように、側背面を全てガラスにしました。通りかかった人でも何をしているのかがすぐにわかるため、実験のアドバイスや注意喚起等のコミュニケーションも活発になることでしょう。
こうして私たちは、設計と検証を繰り返すことで、作業を快適にし、接触軽減対策までをも可能とした独自の構造に辿り着きました。

ポストレス卓上フードの誕生

ご購入前、ご購入後に関わらず
お気軽にお問い合わせください。