住友化学株式会社 健康・農業関連事業研究所

住友化学株式会社
健康・農業関連事業研究所

Client: 住友化学株式会社
Location: 兵庫県宝塚市
Comletion: 2018年4月
Design: プラナス株式会社

命を守る技術を生み出す


健康的で衛生的な生活を実現するため、農作業の効率化をはじめとして、有機化学、生物学等の幅広い研究開発を担う研究所です。その範囲は感染症予防にまで及び、同社の開発する防虫製品はマラリア等の病原菌から多くの人命を救っています。

-世界の健康を創り出すリーディングカンパニーでありたい-

そんな同社の想いに応えるため、同社のあらゆる研究のベースとなる「ヒュームフード」の使いやすさを追求しました。

大型・高機能・安全 - 品質の飽くなき追及を


同社の研究開発規模は極めて大きく、沢山の有機物・特化物を使用することから、大型のヒュームフードを多数必要とされていました。薬品の使う場所と量が増えれば、それだけリスクは増大します。

そこで、本研究棟の設計を担うプラナス株式会社(一級建築士事務所)と強固なプロジェクトチームを結成。各研究エリアにおける使用薬品の種類と量、使用するシチュエーション、付随する機器など、ヒュームフードを開発するうえでポイントとなる情報を念入りにヒアリングしました。プラナスとの協力で得られた情報を元に安全かつ効率的な空調設計を行い、建物ありきでも製品ありきでもない、ベストバランスの大規模排気システムを創り出しました。

研究者目線に立った機器開発も忘れません。前述のヒアリングをベースに、研究者と何度も打合せを重ね、ヒュームフードの高さや下台の形、引き出しの仕様など、1台1台ごとに、その台を使用する研究者が最もパフォーマンスを発揮できる仕様にしました。

品質の追求と妥協のない開発により、大型・高性能・安全性を同時に達成する高機能ヒュームフードをプロデュースすることができました。

空気環境も、コストも守る


必要に応じてに屋外排気をしない「ダクトレスヒュームフード」を設置。本体上部に搭載されたフィルターで有毒ガスを浄化し、清浄空気を室内へリターンします。冷暖房等の空調コストは研究室の費用の大部分を占めますが、ダクトレスヒュームフードでは空調された空気を屋外に排気しないため、施設の省エネルギー化が期待できます。

ポストのないヒュームフードを


大型ヒュームフードを製作するにあたり、最もこだわったのは前面サッシの中央にある固定ポストをなくすことでした。従来のヒュームフードでは構造上前面の中央にポストを設ける必要がありましたが、ポストが開口面を邪魔してしまうため横方向の操作性を妨げていました。

ヒアリングの際に、研究者の方から同様のご希望を頂いたことから、国内でもほとんど類を見ない、固定ポストを排除したポストレスヒュームフードの機器開発を行いました。サッシの保持技術等の安全技術開発はもちろんのこと、大型ヒュームフードに対応する封じ込め性能のテスト装置も作成し、ポールをなくすことで生じる「空気の動き」の変化を見逃さないようにしました。

研究者の方からはヒュームフード内での機器の組み込みや実験操作が格段に行いやすくなったと高い評価を頂きました。

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