城西大学坂戸キャンパス 薬学部棟21号館

城西大学坂戸キャンパス
薬学部棟21号館

Client: 学校法人城西大学
Location: 埼玉県坂戸市
Completion: 2017年3月

ラボの可変性を考える


キャンパスの目印、そしてゲートウェイとして建設された新たな薬学研究棟。本棟内には、実験室・研究室といったラボラトリーエリアに加えて、講義室や実習室、教員オフィスまでをも包括した総合的なラボラトリーとなっています。

大学研究施設の特性上、研究担当者や研究内容の変化が極めて頻繁に生じます。本プロジェクトでは、中長期でのラボ運用を考えた場合に可能な限り容易に実験室を組み替えることのできる「可変性」を一つの軸としています。

ユーティリティの拠点をつくる


メインとなる実験室は共同機器を集約し人との交流を深めることを目的とした「オープンラボ」の構想があったため、共通機器の集約・設置・組み換えが行いやすい「ユーティリティサテライト」を設置しました。電気・ガス・水といったユーティリティを供給できるサテライトをエリアの各所に設けることで、柔軟な実験エリア計画を行うことができるようになります。

アクセントカラーを使い分ける


フロアごとに、実験設備に用いるイメージカラーを割り当てることで、今どこのフロアにいるのかが視覚的に認識できるようになりました。フロアやエリアを色で分けることは、研究者に無意識的にエリアの区分を理解させ、動線を誘導することに役立つほか、色の刺激が研究者にインスピレーションを与えます。

統一感を生むアクセントライン


実験台・ヒュームフード等の異なる実験設備であっても、同じアクセントラインを取り入れることで、異なる形状の製品に統一感を持たせるデザインを目指しました。

使用頻度が少ないときは、ダクト「レス」の検討を


大学特有の施設である実習実験室。一度に大人数が使用するため、フロア規模は極めて大きく、使用する薬品も大量であるように見えがちです。お客様とのヒアリングを進めていくうちに、実際には実習グループ内の一部でしかヒュームフードを使用しないこと、実習が行われるのは1年のうちでごく一部だけであること等が見えてきました。

ヒュームフードを設置した場合、問題となるのはエネルギーコストのみではありません。ヒュームフードの本体からダクトを延ばし、屋上にファンの設置が必要となりますが、ダクトのルートと屋上のファン設置場所を確保することは、設備計画において頻繁に生じる課題です。「使用頻度が少ない」、「使用する薬品量が少ない」場合は、是非ダクトレスヒュームフードを検討してください。エネルギーコストの問題も設備計画の問題も、一挙に解決するポテンシャルを秘めています。

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